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試奏したベースのインプレッション

dragonfly CHB5/345 custom

カニカニベースで巖さんからお借りしましたドラゴンフライ。大昔ベーマガで写真だけ見たことあるだけで、今回初めて触ってみます。

昔記事で外観パッと見て、ボディのホロウ感がありそうに思っていました。。ボディ厚やシェイプはMTDを目指したのかなという弾く前のイメージ。

ボディを叩いてみると特に両ホーン部に大きな空間を取っているように推測される響き。お尻も結構肉抜きしてる。ミニ四駆ファイター的にかなりヤっているんじゃないかな。ボディ中央は残し気味なんだけど、ボディ剛性はかなりホロウ寄り、もしくは木材の特性からか振動の仕方にショードを思い出します。

入力に対しての反応の仕方がイメージと一致しないところがあって、コンプを通すと一気に弾きやすくなりました。このデータを以て修正し一回弾き方を覚えればコンプ抜いても大丈夫。

一方ネックはゴン太で剛性が高く振動を殺さない設計。特に9~15フレットで厚みを感じます。でも塗装はサテン系なので弾き辛さはあまりない。フレットはステンレスフレットでかなり硬そうな高い響き。ラミネート数が5Pなんだけど、あまり重くなりすぎないように強度とバランスを取っている様子。

PUはオリジナルのハムバッキングでシリパラ。これがかなりキャラが乗るPU。フロントリアの個性がハッキリ出るクリア系でピッキング位置でもかなり音色の変化がある 。音の歯切れが素晴らしい。IRON MAIDENのギャロップをやると一音一音しっかり粒立ってる。これはピックアップというよりはネックの太さが主因か?

でもロックは苦手かな? ニュアンスがよく出るのでそっちの表現に逃げれるけど、心が熱くなる音が出せない。vintech繋げば大丈夫なんで、エフェクターなりアンプの歪みがあれば解決なのかも(笑)。

基本的にメンテが行き届いててストレスを感じない弾きやすさで特にハイポジは軽やかに弾けます。でも唯一解せなかった点として、PUが弦に近すぎると感じます。両方とも近いけどフロントPUが特に近づけてあって、これだけ近いと磁力が振動に影響させコンプレス方向に調整しているのか?と思うほど。

磁力が弦振動に対して音量はもちろんでしょうが、音色にまでも影響することってあるのだろうか?基音というかローがちょっと多すぎる。 でもyamaha bbみたいなロックな感じは全く出せないのよ。ふーむ。

弦はどこのブランドだろう? と思って巖さんに聞いてみるとゲージをセットからアレンジしたスミス弦とのこと。ワタシゃ昔からはスミス弦がピンとこなくてねえ、一ヶ月経たず張り替えたくなるんですよねぇ。

ということで弦交換OKを頂いて両面から検証。スミス弦はしなやかで太い音。F弦は比して硬くブライト。振幅は硬いF弦の方が安定?つまりコンプレス。柔らかいスミス弦は表現に優れるのでは。でもベース本体の話だと、smithは複数木材を組み合わせて音色やコンプレス具合をコントロールしているよね。F-bassはシンプル素材でピース数も少なくオープンなイメージ。弦とアプローチが逆なのが面白い。アクセルとブレーキ。

タッチの反映がスミス弦は多彩。F弦はピッキング位置を変えてもあまり音色が変わらない。音色×タッチ×コンプレスのバランスを取ったセッティングになっていたのでは? F-bass弦だと真逆からのアプローチで同じゴールを目指すことになるのかな。

タップするとLow成分が多すぎるのは弦を変えても同じ。PU高のせい? 密閉型ヘッドホンだと辛くてEQで少しカットしないと辛い。アンプなら気にならないのかな。BE弦の低音側がドスン、高音もきれい。一番美味しい音が出る中音域はTUNEみたいに日本製っぽいスクエアな鳴り方。

ダルな鳴り、というか制御が必要なホロウボディ+硬いステンレスフレット+パーフェロー指板+太ネック+6点止ボルトオン+パワフルPUの音。コンプでパンパンさせるのがハマった。Plekを始めセットアップがバッチリのベースなので、性能は引き出せていると思う。

相反する要素をスペックのどこかで解消しようと、複数のトガリで万能を作ろうとしている印象。この音を出したくて、でスペックを決めた感じじゃなく、後発メーカーとしてよく市場を分析し「この組み合わせのベースなくね?」から開発スタートして、ネガを丸め良い感じに落とし込んだように感じました。PUや太いネックのキャラが、他のスペックよりも相対的に強く出ているベースだと思います。


内蔵プリアンプをアウトボード化したものも同梱いただいたので、こちらもインプレしていきます。dragonflyに繋いでもしょうがないのでZ2で試しました。

weed bepeeという名前でコンパクトエフェクターの筐体に収まっています。

bass,trebleがシェルビング? トレブルを上げるのはベースと相性良し、下げる場合はトーンカットと違いdipが出ない大人しい効き。ベースを上げると埋めるロー。パンチはないので微妙かなあ。下げる場合は好きで基本ちょい下げしてた。ベースを下げてミドルが見える。bell型と違って下げても変にならない。Demeterみたいなタイプ? 問題はミドル。機械的でカラーも付けづらい。というかワタシが下手なんだよね(笑)。音色を変えず押し出しや位置のみ調整?

一番嫌なのがオンにすると位相が変なのか違和感があることで、外したほうが良い音に感じる。ただ全てカット方向へEQするとすごく上手なのでアリ。これがシェルビングだから? APIやSSLのEQなど持っていると、手元のベースプリは大げさなカラーがある方が楽しい。

(2023/05/07更新)