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試奏したベースのインプレッション

MTD 535

…ということを始めましてね(笑)。乗ってくれる方がいてくれてありがたい限りです^^ ということでBarchies 千葉さんのMTDが1ヶ月やってきました!

MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535 MTD 535MTD 535 アッシュボディ、メイプルネック、謎指板(千葉さん材はなんでしたっけ笑?)21フレット。バルトリーニ製の専用電装系。シソと呼ばれている通りの色です。柴漬け食べたくなるね。

力強く埋まる低音でB線の締りが素晴らしい。でもモジュラスみたいな感じではない。EQのローの埋め方はマーロウみたいな感じもしたけど、YAMAHAも似たようなロー感があるけど、アメリカンベースの巨匠トバイアス爺なのでE線3フレG以下のポジションが唸ります。グロウルっていうのはメーカーの材の説明文にも出てくるよね。アッシュがそうだったかはちょっと覚えていないんですけど(笑)。6弦のときはC弦の音のつながりに感心したけど、この個体に関してはB線のつながりが素晴らしい。バーチーズセッティングのせいなのか(笑)?

巖さん的な表現で言うF1というのもなるほど!と膝打ったもんですが、バルトリーニの傑作プリアンプは汎用品とは住む世界が違う世界観がある。基本性能はもちろん高くて音の止まりが抜群。コントローラブルなんだけど、どこか一点を目指したような製品のように思います。数多いBartoliniのメーカー専用仕様品の中でも、MTDは特注中の特注らしいですね。なんでNTBTだのXTCTだのとは別物の、それをベースにちょちょいとカスタムしたものとも違った、とがった仕様になっているようですが、このMTDに搭載されているものはそれとわかる歪みまでは行かないレベルで文字通りドライブしてるんでしょうか? レンジが広い。クリアというよりは、一般的に言う歪みまで届かないレベルまで回路をドライブさせた感じ、に思った。倍音豊かな方が(場合によっては強調したほうが)ボディやネック材のの微妙な違いもはっきりするような気がするよね。

固定数値でドライブさせて(ここまでで決まる基本キャラ)、volはアウトプットボリュームかアッテネート、EQもドライブさせる回路に最適化設定になってるとか推測しちゃう。派手だからギターが歪んでる系だったり、シンセベースのジャンルにもハマる? イラレやフォトショで色塗りをしているような感じ。のせる色が確実にペイントできるリニアさで、実は手書き感が乏しい。

ワタシはAPI500シリーズに興味があるのでレコーディング機材も勉強しているのですが、Vintechのドライブさせた感じと似ている事に気がつきます。あれもドライブさせていくと低音域が力強くなっていく一方で、さらにレベルを上げるに従い倍音が強調され音がグワ~っと派手になっていきますが、その辺もHiがビキビキバキバキに刺さるのと似ている。

この上さらに歪ませるという選択肢はちょっとありえないかな。というのもいくらでも音が抜けてくるからね。ベースによっては全く抜けてこないsomewhere i belongみたいな曲も相性バッチリで戦える。パンチーであるし、PUの振り方で強調される周波数帯が変わるし、EQもロー以外はハッキリしてる(ブースト時)。ローはカット方向で使う事が多かった。ミドルを250hzにするともうそれはローじゃないですか(笑)そっちで上げてローはカット方向で調整。run for cover的なドンシャリ曲もMr.moon的なイナタイ曲もMr.pink的なパキパキ曲も音作りが凄くやりやすく、スラップについては全方位カバー。やろうとするとレイクランドでやるときよりマーカスっぽい音になる。音というか発音? 単純にPUの違いかプリのEQなのか。

一方Steely Danとかやってみると合わないわー。MTDは音が抜けすぎるとか合わないとか言われるものも、このベースはドライブものと考えると結構スッキリ理解できる。なんかEQのハイの効き方が独特じゃない(笑)? ブーストするとボリュームがはっきり上がるし。普通のHiよりも低い周波数帯なのかなあ。シェルビングカーブが下の周波数に降りてくるような仕様かもしれないね。

どうやっても低音の密度を感じやすいのでベースとしての役割は出来るんだけど(道具として優秀)、バッチリノルマはこなして定時に上がって会社帰りの裏の顔が本性みたいな。IQ高いっつーか。脱ベーシストしたい人にオススメできるベースではある。マーケットに合わせた内向きな楽器ではないので素晴らしい。音のバリエーションが豊富だからエフェクト使いたくならない。MTDの音の範囲ながら。

フロントとリアPUのキャラの差、センター位置のサウンドの素晴らしさと3種類はっきりカラーが変わる。fenderとははっきり違うけど、一応そっち方向のサウンドには近づけます。 気持ちよさも相まってタッチはついつい強くなりがちなのでなるべく脱力して弾きたい。インプットの強弱は上記の範囲内ではあるけど結構反映されるので、今回イメージが変わりました。つまりこれが俗に言われるアコっぽさ?

(2018/09/09更新)