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ピエゾ出力大問題 その1

大好きなヴィエレッテのアコベですが、アコースティック物なのでメンテナンスや状態管理はソリッドボディのベースよりもシビアに管理しています。そして2013年8月に代理店のsleekeliteにて初回メンテナンス。発送にあたってベースについて気になっている点をまとめて連絡し(以下参照)、対応をお願いしました。

広瀬さんの初診の結果、初めての弦交換時にわかったエンドピンの割れは新規作成してもらいました。Piezoに関してはトマスティックの弦だとBridgeへの圧力が不足するため起こっている模様。すぐに何か簡単にできそうな対応がないので、G弦の音量はシャートラーのマイク付けるとか必要になれば何か考えることにする。

また北海道から本州へベースを移動すると逆反りしてしまう問題。こちらでは発送時に逆反りは出ていないのですが気候が違いすぎるのか、持って行くと必ずなります。という内容を説明して、弦高含め基本的にはベストと思われるセッティングで依頼しました。レイクランドを巌さんにお渡しした時もそうだったし、カニカニベース時にはよくある話なので注意しないと。

メンテナンスから戻ってきたベースはバランスが良くなるなどの結果が見て取れました。また健康体とのことで安心しました。結局ナイロン弦がやはり特殊でそれ用のセッティングが必要なんですね。更に弾きこんでいこうと思いますが、緩和的な調整をしていただいてもやはりG弦の音量は厳しい。これも弦起因とのことなので、勉強のためにアコ用マイク買うってのも面白そうだと思ってます。

G弦に関しては、弦高は上がりますが、トマスティックの弦のパッケージの中にシムをいれておりますので、これをサドルと調整したブリッジのサドルの溝の間に追加していただくことで、もうすこし改善される可能性はあります。現状、G弦の方の角度が浅いため、Piezoに対する圧力が不足気味になっていることが理由ですので、柔らかい弦であればあるほど、その傾向にあります(同じ弦を使っている他の楽器でも類似の問題にあったことがございます)。マイクで拾っていただく場合はこの問題はおこらないと考えます。


2回目のメンテナンス。

2016年7月。同じくスリークエリートに依頼したんだけど、今回はDingwallのオーダーの件もあったので打ち合わせも兼ねて持ち込み。3点ほど気になる点がありますので、その部分を重点的に診ていただければ幸いです。

  1. 1弦13フレットのビビリ 1弦の10、11フレットを弾くとミーンというビビリが発生しがちです。どうも13フレットあたりが ビビっているように思います。 その他のネックコンディションは良好です。
  2. ブリッジ-ピエゾ間のシム 相変わらず1弦の出力が弱い、というのは使用している弦のせいというのは承知しておりますが、 以前いただいたシムについて、1枚では足らず2枚でももう一声と言った感じの音量バランスです。 (コンプ処理をすれば大分良い感じにはなります) 弦交換時にずれることもあるので1枚ものの厚めのシムを作成いただけませんでしょうか? もしくは音量バランスの根本的な解決にならなければ、他のピエゾPUへの交換を検討したほうが 良いのでしょうかね? ご意見伺わせていただけると幸いです。
  3. トップ板の歪曲。触ってもわからないのであまり気にしてはいないのですが、光に当てるとスプルーストップが 若干波打っているようです。 画像を添付します。 Twitterで絡んでくれたのでveillette公式にも相談してみようかと思ったのですが、連絡していません。

PLEKしてもらってネック調整と弦交換でビビリは解消。トップ板の湾曲はまあセッティングが出ていれば使用上問題ないし、ぶっ壊れることもないのでは?ということで様子見。湾曲がひどくなってくればまたご相談ということに。

問題はピエゾの出力で、改善は他所で進めていくこととしました。何かあったら言ってくれとフォローしてくれてた素晴らしい製造元のveillette guitarsにとりあえず質問してみました。


veillette guitarsとのやり取り

メールしてみたらJoe Veilletteご本人から、まー優しくて丁寧な返信を貰いました。要点を以下まとめます。

  1. この度は面倒かけてごめんちゃい。
  2. まず弦とサドルを外してみて、ブリッジの木が収縮変形していないか確認。
  3. サドルとのかみ合わせがピタッときていないならサドルをヤスリがけてみて。接地面が合っていないとピエゾピックアップへの圧力もばらつく。
  4. ブロンズ弦で問題が出ないのはわかる。あれはテンションがきついからね。でもサドルとブリッジが理想的に噛み合っていれば、トマの弦でも上手くいくと思うよ。

この素晴らしいベースを作ってくれた人が親切に対応してくれたコミュニケーションできて嬉しかったですね。ただサドルのすり合わせは広瀬さんもやってくれていたので、結局問題は解決しなかったのであった。こりゃ大久保の「寺」に駆け込むしかないかー。

まあサドルが溝にはまって乗っているだけですので、弦交換で微妙にずれたりしてしまうのでしょう。そこに想定外な弦を張るもんだからそりゃ性能の担保が難しいよ。でもこの音が大好きなので、トマスティックの弦ベースで楽器を合わせていく覚悟を決めた。

なお参考までにveilletteがオススメとしているDadario Bronze弦とのテンション比較pdfを作成しました。トマの弦でもG弦を全音上げるとバランスが良くなるのでサドルへの圧力の問題。画像の通り、サドル天端からブリッジへの落とし込みの角度がゆるいのが問題なのよ、テンションが緩いG弦を張った場合。

(2019/10/16更新)