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インプレしてもらいました その4 → @べぇすさん編

北海道はたーみーさんご所有のLAKLANDをお借りし、インプレをさせていただく機会をいただきました。事の発端はたーみーさんが東京に来られ一緒に楽器店を周る機会がありまして、呑み会の場でお話を頂戴し、是非!ということで楽器を送っていただきました。本当に実現する事になったこと、たーみーさんに深謝申し上げます。

さて、そのLAKLANDですが、どちらかというと自分のスタイルには遠い楽器かなぁという印象があり、また弾く機会もそこまで多くある様な楽器ではありませんでした。なにせ球数も少ない。そこでこのような大変貴重な機会を頂戴する事が出来たのは大変光栄です。

さて、LAKLANDですがシンメイさんのインプレにも記載の通りLAKLANDはエンドーサーも幅も広く、良く見かけるのはJazz Bass Styleの物が多い印象でしたが、最近は廉価版のモデルも数多く流通するようになったこともあって裾野を広げつつありますね。

お借りしたのはLAKLANDの代表的なモデル。学生の頃、スタジオに練習で行ったときに隣の部屋で、たまたま同じ使用のモデルを弾いている人がいたのが、何故か強烈な印象として残っています。何の曲かは分かりませんでしたが、キメの多い曲で弾力感のある音で、一音一音がしっかり聴こえました(演奏者の腕があるのがもちろん前提ですけども。)。

たーみーさんのブログを以前から拝見させていただいていたのですが、LAKLANDの紹介をしていた記事の先にYou Tubeのリンクがありまして、そこでLAKLANDを弾いている動画を見た私はノックアウトですよ。その映像はAngie StoneのLover’s Ghettoのスタジオライブで、そこで適度に緩くもお腹の底に来る様な音を出していたんですね。私はこの動画を見てからAngie StoneのCDを何枚か購入しました(笑)。

それでは実際にお借りしての印象ですが、弾き込まれた様子が伺えるネックと指板の黒ずみ、そしてヘッドトップのステッカー(笑)梱包を開けておお!と唸ってしまいましたよ、持ち主の色が染み付いたベースだなぁというのがよく分かる佇まいです。ご経験があるかたもおられると思うのですが、良く弾き込まれた楽器にあるあの愛着感が湧く感じ、持ってみてスッと馴染む感じ、とても良かった。ここまで弾き込めるとまさに勲章ですね。楽器は弾かれてこそなんぼですね。

LAKLANDの試奏レポートを作成するにあたって、ほぼ同仕様のものを弾く機会があったのですが、どうも初期の頃と現在では大分仕様が違うようで、昔のピックアップの仕様が好みでしたね。最近のものはバルトリーニをベースにしながらもオリジナルで作っているのかな?たーみーさんのLAKLANDと比べて音がコンプレスされたような印象にありました(これはこれで問題がある訳ではもちろんありません。)。

さてまず特徴的に感じたのがネック部分。ネックからヘッド迄の部分の厚みがまさにと質実剛健、ネックを握った感じがまさに頼りがある!といった印象です。Quartersawn Falme Mapleのワンピースネックも元々の材質の良さに加えてグラファイトの仕込みもあり、頑丈そのもの(私の愛用するSadowskyやKen Smithもグラファイトが仕込まれていますね。)。ネック剛性の向上だけでなくデッドポイントの解消にもなると言われていますよね。Flame Mapleや所謂ノーマルなMapleに比べて、ねじれや反りやすさ等、トラブルが起こり易い印象がありましたが、この個体はそういったところがなく、色のやけや黒ずみがさらにFlameを際立たせており、かっこよかったです。

さてそのネックシェイプですが、第一印象は・・・弾きやすい。塗装もサテン仕上げられておりサラサラで運指もスムーズにいきます。5弦になるとそのネックシェイプは様々なのは言わずもがなですが、LAKLANDは弾きやすい部類に入りました。
私が所有しているAlleva CoppoloにしろKen Smithにしろ、同じ5弦でも大分形状が違う訳で、ブランドのアイデンティティが出る部分とも思います。

ボディシェイプもバランスは良く、そしてこの個体は軽いですね。軽ければ良いと言う訳でも無い訳ですが、この個体は軽くても音が腰高になっている印象はありません。ボディ材はスワンプアッシュ。トップ材はキルトメイプルと大変豪華で、フィニッシュはアンバーフィニッシュですかね、キルトを際立たせるとても綺麗な色味です。アンバー綺麗だなぁ・・・上品な色味ですね。羽ばたく様な杢目のキルトが本当に栄えます。

音質ですが、シンメイさんのレポにもある通り、ハイ〜ハイミッドに個性がある感じです。フロントのシングルコイルとリアのハムバッカーがかなり影響しているのかと思います。シングルとハムバッカーの組み合わせは使った事がないのですが、とても個性的な音色に感じます。Smithと同じようにアンサンブルに入ったときにこの個性がとても活きてくるんだろうなぁと思いました。

すなわちピックアップレイアウトによるバリエーション豊か、これはLAKLANDの特徴の一つなんでしょうね。ピックアップレイアウトもハムバッキングがあるからといって、Ken Smithのようなケロケロな音ではありません。材や構造的、ピックアップ配列からStingray+αといった印象。どちらかというとStingray的な感じなのかな、リアピックアップの色合いが強いように感じます。リアピックアップを主軸で使用しつつ、フロントピックアップ+プリアンプで味付けを足して行く感じで使うとキャラクター決めがしやすかったように思います。現行品はバルトリーニを基本にしたオリジナルのピックアップ・サーキットのようですが、私はこのバルトリーニの音の方が好きですね。

最後に、LAKLANDの試奏環境ですが、ヘッドアンプはWalter Woods M-450、キャビはVanderkly MNT-310。録音時はLAKLAND→Radial J48→REM UCX→Logic。あくまで自身の腕と再生環境で感じた事ですが、LAKLANDはチューブ系のアンプに相性が良いのかもしれないなぁと思いました。アナログミキサー&DIでトライしていませんが、DIだとA-DesignのREDDI等、TUBE っぽさをそれなりに加えたDIが合いそうですね。

以上、長くなりましたがインプレとさせていただきます。たーみーさん、この度はありがとうございました。

(2015/07/18更新)