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試奏したベースのインプレッション

Jiraud Super JB

カニカニベースでBB_Shinさんです🦀。ヤマハのBB以来2回目ですね。そしてお借りしたのはジラウド、人生2回目の試奏です。一回目のインプレはこちら

アッシュボディ、メープルネック、メープル指板。電気系に関しては当時のJiraud フルチューンとのことです。オリジナルのJB-01 PU、サーキットはJFDT-C(Slapperにも搭載)、JFDT-A アクセラレーター(いわゆるバッファー)、ノイズ対策のW-Shield、配線はPC-OCCケーブル。これが何なのかはワタシが受け売りするよりもちゃんと解説した詳しいページを調べてください(笑)。間違うと怒られそうだからね。

届いた楽器を見てみると現役で使われているからか、バッチリ弾けるめちゃくちゃ良い状態。塗装も時代から考えると目立った劣化なくすごくキレイです。昔弾いたジラウドはここまで素晴らしい印象がなかったんですが、モデルも個体も違うし自分も成長したせいでしょうか。サウンドデザインの主張をめっちゃ受信しますわ。コントロールはVol, bal, treble, bass。

早速自宅環境で確認すると音はスラップがやはり本領という感じで、要は出力レンジが上に広いせいみたい。Hi-Fiということなのかな。このベースだとノブをひねればマーク・キングのあの時代に簡単にいけます。スタジオでくたびれたアンプを通せばマーカスになります。普通EQだけではああそこまでのビンビンは感じが出せないですが…(むしろマーク・キングとかマーカスとかどういうセッティング・機材でああいう音出してるんだと思っちゃう)。この高音のビンッ!具合が表現力高くて様々なビンッ!が世の中にはあるんですね。出せます。ここは予想通りだったんだけど。

メタルのバッキングで刻む時とかも抜け感調整できます。馬鹿の一つ覚えみたいにドライブ信号作ってパラレルで混ぜてみたいなことをしなくても同様の効果があります。ジャクソンみたいな抜け方もするのがめちゃくちゃオモシロイ。

実はこのプリアンプで驚かされたのは低音の方で、ドンがビンと同じ感じでノブ一発。簡単にいろんなドン具合を出せるのが驚き。固定周波数っぽいですがスラップする音楽のジャンルに合わせて、任意の割合で調整できて超優秀です。上下方向の居場所を決めれる。なんかtilt EQっぽいんだよなあ。tonelux製品とかPhoenix AudioのDIとかでベースには良いだろうなあと常々思っているんですよ。こんなタイプのベースプリアンプ、ちょっと記憶ないわ。

しかも超意外だったのはドンシャリ具合にあまりカラーを感じないこと。なんかベース用というよりはミキサーのEQみたいな感じ。リニアでプリアンプの個性・主張が感じられない設計してると思う。

ちなみにスラップモードをオフった状態(ボリュームがかなり下がる)での音でもアーニーボール弦張りたての感じです。お借りしている間では弦が死なねえ。いや、弦は死んでいっているんでしょうけど電装系パワーで感じさせないみたい。lowを上げてtrebleを下げていっても使えますねえ。このプリアンプは操作感が独特なだけで、ジョースターの体が馴染めば思い通りに扱えるようになるでしょう。

コンプの引っ掛かり方がちょっとおもしろくて、エキサイターでもかけてるのかって言うくらいプルが刺さります。単純にslapper modeの出力が大きいのと、PUか木材かで普通よりダイナミクスの幅があるんでしょうか。だからマイクで声を拾ったときのようなVUメーターの動き方で、スレッショルド引っかかる引っかかる。コンプの個性がよく出てくれます。うちにあるRNC500ならノーマルモードでパンチーだけど他のベースより音が結構変わり、色付けしたくないならSuper nice modeに切り替えました。RND535ならホントの最速設定で歪みっぽいドライブ感が出る。一つ落とした設定だともう少しまとわりつく感じと結構変化あり。設定が楽しいです。これ昔はもっと苦労したと思うけど、良い足元のコンプって中々探せなかったんじゃないかなあ。

ヘッドホン環境をアンプで再現したいとなるとモニター性能が求められ、再現性が高くないものが挟まるたびにサウンドが鈍る方向でしょうね。ベースアンプだと音が相当変わるから、ベース側にこれくらい極端な出力があっても、結果良いところに収められるのでしょう。簡単に曲を壊せる分、使用者に倫理が求められる。法定速度で走るにしてもやろうと思えばいつでも300km/h出せる余裕というのは何を生むか? 他のパートが殺ってきた場合やり返せる抑止力を持てます。

ベースのサーキットが凄いのはよくわかった。でもベースが関わる部分だけ考えてもエフェクト、アンプ、スピーカーを介在する様子はありますわな。この際「PU直後の方が理論上良い」みたいな話は置いておいて、例えば普通のベースに Sym Proceed SP-MP500とか性能推しの機材を通した時に出力される音とキャラクターが似る。真実とフィクションのどこの場所が心地良いのか、どこの部分でそのバランスを取るのか? それは人それぞれという普遍的な話に戻って来る気がします。ん~真実は人の数だけ。


同じ仕様のSuper JBはないらしいのですが、音のイメージはこんな感じです。

ただドンシャリにしたところでこういう感じにはならないんだけど、ロス無しピュアピュアを謳う機材を通すとこういう方向の音になる。

これは素の音、もしくは機材の「性能の音」と言えるのかもしれないね。

ワタシの場合、ソロはもっと鈍った音にします。この音は圧倒的に指引きメタルバッキング用途で採用。歪ませないメタルゾーン。

(2025/01/31更新、2025/02/07動画追記)