aspic-2

to Bottomto Top

試奏したベースのインプレッション

Padalka guitars Neptune bass

カニカニベースでコンタクトしてくれたSenJさん。試奏はおろか聞いたこともないメーカーのベースを貸していただきました。Padalka guitarsneptune bassです。なんとこのサイトの現物!6弦ヘッドレスでファンドフレットと中々に役が揃っていますが(笑)、偏見なくまずは触ってみようじゃないの~。

慎重にベースを開封してっと・・・まず弦が死んでいるのか反応がだるい印象。元はこのベースの標準弦であるカリム?というところの弦を張っていたそうです。楽器が新しいからかなあなどと思っていたりもしたんですが、今思えば振動の仕方が違うのを「鳴りのだるさ」と感じていたのかもしれない。F-bassのヘッドレスもこのような鳴り方だった記憶があります。ステイタスは…あれは特殊か(笑)。

とりあえず弦交換にチャレンジしてみることにしました。とはいえヘッドレスの弦交換なんて初めてやるのですが、Senjさんが公式の弦交換を解説した動画を送ってくれました。ふむふむ、Daniel Fernándezよりも簡単そう。挟んで回すのね。 弦は幸いストックがあったDingwallのステンレスでOKらしいので、それの頭とおしりを適宜切り落として張る。ちょっとLow-B弦がミスってナット上に段差が来てしまったかもしれないけど、長さ的にかなりギリだったので、初挑戦一発目でこれは仕方ないとしました。自分への判定がガバい(笑)。イモネジは六角レンチの2.5mmでバッチリ回りました。持っててよかったwera~。

ヘッドレスのチューニングの安定性は巌さんも過去おっしゃっていたことですが、ほんとにすぐ安定して狂わないね。既存より優れたメカニズムなのが実感できました。当たり前ですが弦を交換すると音が生き返るので、バランスが良く聞き取りやすく鳴らしやすくなりますが、このベースをはコントロールがヴォリューム1個とPUタップしかついていません。

はじめはパッシブベースかと思っていたのですが、裏ぶたを開けると3連トリムスイッチがあって、それぞれTMBをブーストカットで使用できる事になっていました。セッティングをイジイジしていくと、元のバランスがT/M/B=12/12/15時だったところ、11/15/10時に変更しました。Ash とMacassar Ebonyのボディなんでフルレンジで出てくるのですが、自分の好みで上下を少し落とした状態にしました。余談だけどマカッサルね、マッカーサーじゃない。

ストランドバーグとか系の人間工学に照らしたというか、昔ながらのボディフォルムとはかけ離れた形状をしています。膝に置くとヘッド落ちは全くしないです。特筆すべきはゲイリー・ウィリスよろしく股に挟んだときで、ハイポジションへのアクセスが最高。ベースを支えてる右足で微妙にポジション調整できるのがすごく便利。チューナー部のボディ形状がフィットするんだろうね。この点にバランスの旨味が凝縮されていて、ローポジションの弾きやすさはあまりないです。これはギターには最高かもしれないけど、「体がちっさな日本人(合唱)」には優しくないですね。少なくともベーススケール、しかもファンドフレットなら通常より長いわけで、この点もうひと工夫欲しい。

PUはAguilar Super Singles。Magicは感じないPUですが、PU単体だと「ここが欲しいよね」ってところは捉えているし、2PU直列にすると素直にハムハムしてくれるので使いやすいですね。音量バランスがフロント過多に感じたので270度ネジを回転させて落とし込み。シリーズ時の音色を少し変えました。フロント単体の魅力は少し失せたけどね。ファンドフレットは自分のZ2で慣れているので違和感はないですが、ネックの握りが超ごつい。そのおかげか全くネックが動きません。高剛性で、カニカニベースで届いてからネック調整の必要が全くない初めてのベースでした。トラスロッドはPU側からの調整でありがたいですが結局ノータッチ。キャビティーカバーと同じようにトラスロッドカバーを磁石止めしているのもイイね。

フレットは26まであってそこまで使ったことはないですが、でもシングルPUのということもあってスラップの音が良く、フレットが上まであってもあまり気になりません(音色)。もっとも生後半年で貸していただいたようでピカピカなのは当然なんでしょうがステンレスフレットを使っているのかなと思ってスペックを確認したらJescarのNickel。大好きなJescarポイント高いよ~。

音についてはsingle PUの6弦という括りで振り返ると思い浮かぶのは過去インプレしたMichael Stevens Guitars SLANT6。汎用性は絶対Padalkaの方が高いと思います。味があるのはMichael Stevens。ただシングルPUはノイズは拾いますね~。メタル系での勝ち筋はベース単体では見えずだったけど、ジャズ・フュージョンなら得意じゃないかと感じました。癖がない音色だし、PUタップでかなり使い分けられると思います。じっくり探っていくと中~高音域はスミスみたいな音がする美味しいポイントがありました。それにしてもやっぱりEQコントロールは欲しくて、もっとこのベースを楽しむためにも何らかのストンプで補正やキャラ付けをしたくなります。

弾き込み前の個体を借りれることなんて中々ないと思いますが、借りている1ヶ月の間にも育ったような気がします。まだ特徴を掴むほどには経験値が足りないけど、ヘッドレスはヘッドありのベースとは鳴り方が異なることを確認しました。

(2019/05/20更新)


実物動画があると楽ねその2(笑)。持ち主のSenJさん動画。音は歪んでいるので参考ということで。でもそんなに個性的な音ではなくて使いやすい素直な音であることはわかるのではないでしょうか?

アタックやロングトーンに大分表情がついてますが、実際はもっと薄味ですので差し引いてください。なおサステインはヘッドレス的な伸びがあります。

ファンドフレットの恩恵もあってか、弾く強さの調整にそれほど気を使わなくてもいいのはやっぱり利点。とはいえまだ弾き込み前ですから、育てていけばどのような音に変わっていくのか楽しみですね。しなやかさがないのはネックの太さも一因でしょうからキャラですね。

さて問題は右手手首の角度だよね。フォームを確認して無理がないようにしないと痛めることになる。やっぱり股に挟むか立奏しかないように思うなあ。ギターとは違うのだよ。

(2019/7/05更新)