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試奏したベースのインプレッション

Ken Smith Design Brooklyn BRP665-PB

自分的にも恒例行事化してきたカニカニベースですが、肝心のカニの手配が資源減により難しくなってきました。毎日お店の在庫状況をチェックしても店頭に並ばないです。うへぇ~。代替資源を考えていかないとインプレが続けられない。。。さて今回はcycoさんからNS-2に続いてお借りしました。ケンスミスの木材を使用して日本の工場で製造するというコンセプトの楽器ですね。

15年やってきてなにげにザ・プレベをインプレするのは初めてですね。最後に弾いたのも20年前スタジオで知り合いにフェンジャパのを触らせてもらったぶりかな。まあ嗜好外であるのでこれくらい開いちゃう(笑)。

スペックはアルダーボディ、マカッサルエボニー指板、Nordstrand PUのパッシブ。

まず構えた印象ですが、ナットの小ささを始め、細やかな作りで日本製っぽさ全開。心遣いが行き届いた温泉宿のような気持ちよさ。これにsmith提供の素材の良さが生きているというのが結論になります(いきなり)。材のクオリティも感じることができるレベルの高さです。指板のチョコレートっぽい感じが美味しそう。

ノードストランドのPUは出力が大きい…ほんとに大きい…いやでかすぎ。指板Rに合わせて結構傾斜させています。調整がされていて音量は揃っています。初めに張ってあったのがフラットワウンドで、このコンコンコスコンとした音。ジェームス・ジェマーソンのような人差し指弾きでモータウンナンバーをやれと、音が導いて弾かされる。アゲめの音程の方が色気と雰囲気があってA、D弦が歌うね~。特定のジャンル・年代にハマる典型的な音。このフラット弦そのものの音に耳に引っ張られて評価できないため張り替えまっしょ。

全く別のキャラということでDRの40から始まるHI-BEAM、ステンレスラウンド弦を張ります。 まあやっぱり汎用性の高いベースのほうが好きなのよね(笑)。弦交換をすると馴染みのある音ですが使い勝手がよくなりました。でもまあやっぱり色々なアルバムで聞いてきたプレベの音なんですが(笑)。こんなこと他のベースではないんだけど、あの嫌いなAmpegで弾きたくなるし、自分の耳が歴史の呪縛から抜けられない。それでもフラットワウンド弦よりはまだこっちのほうがインプレできる。

ライトゲージ弦で更に誇張されてるんでしょうが、音のダイナミックレンジが広い。ネガとしては低音の通りが甘くボワッとしてしまう。でもサムダウンの響きはバスドラと良い感じに絡むのが想像できますわ。Low-b弦は音量バランスが他と取れてて扱いが面倒なことがなかった。 また個人的にプレベはトーンを絞るのはありえなくてハイを上げて弾く。プレベというかフロントPU全般。

いろんな音源に合わせて弾いてみて強く感じたのは、プレベはうねるベースラインに最適ということ。あれは他のベースではそもそも無理、音量差や表情がつけやすいPタイプのピックアップで出していたんだ、と謎が解けました。なおスティーブ・ハリスの謎は解けない。Pベースで弾かれた楽曲は数多ありますが、でも同じ音を出してもなあ。他の人がやっていないことをやらないと自分がやる意味がないからねえ。だから定番ベースにさほど興味がないのでしょう。

ちょっと違うアングルからの感想として、KSDを通じてF-bassの完成度の高さを思い知る結果に。いやーあれは本当良く出来てる。

(2021/04/07更新)