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試奏したベースのインプレッション

試奏の聴覚

本丸の音編です。

音に関しては前回と違って絶対的な基準がないので、自分の好みに合うものが良いものとなりますよね。なのでこういう音のするベースが良いとは言えませんが、ワタシがやっているそのベースをつかむためにやっていることについて書いていこうと思います。

いくつか購入候補がある場合にも使えるので、試奏はできるだけ同条件で行います。同じアンプを使うとか、同じように弾くとかですね。試奏は力みがちなので、いつもの半分くらいの力で弾く。それでも結構チカラ入っちゃうけどね、とにかく『優しく』、『ゆっくり』、『丁寧に』を心がけて弾く。

それから試奏で上手く弾こうとする意味がわからないんですが、例えば cycoさんがコンプを試奏するのに延々E開放サムダウンしているとどこかで読んだ記憶がありますが(笑)、本来テストなんだから試奏風景ってそうなるんじゃないかな? 理科の実験っぽくなるアプローチで合ってると思います。

試奏のチェックポイント

すっぴんをおさえないとどこまでが化粧かわからないから、スタートはまずフラットで。PUはパラレル、バランサーはセンター、プリアンプはできればパッシブに。デッデッデッデと開放音を鳴らして集中力スイッチon。

本格的な試奏を始める前に、味見程度コントロールをいじって音色の幅をつかむ。後は随所で調整しながらキャラの振り幅を探っていく感じ。中心点はすっぴんね、EQはそれをしっかりおさえた上での話。

お決まりのフレーズは指、スラップ、ピック、各ジャンルに応じて、音の強弱それぞれのバリエーションで試したいです。自分の場合は指弾きはスケールを行ったり来たりとコード弾き。スラップはEssentialのリフが定番。個人的に定規として使いやすいからかな? 手持ちのリトマス試験紙は、条件を揃えるという意味でも少数精鋭で磨いておきましょう。

スラップができなくても、G弦とD弦のプルはやってみよう。過大入力に対してどういう音がするのかというのは確認する価値がある。木部の振動も確認できるしね。出来ない人も親指と人差指で摘んで離すだけでもいいんじゃない? 実験ぽいし。フレットレスはやっちゃダメ。

『基本は4弦+α』っていうメーカーもまだあるし、何より張ってある弦自体の相性、影響というのがでかいんだけどね。多弦の場合はどれほど普通に馴染んでいるかは確認したい。PUセレクターで隠れやすさが変わってくるのもあるよ。

また各弦の音色の差は絶対確認しますね。例えば1弦開放と2弦5フレット、3弦10フレット…って意味です。これは揃っていれば良いベースって訳じゃなく、まあ道具としては揃っていたほうが使いやすいけど、無味で冷たく感じたり。あくまで個性・特徴として『把握』したい。

オクターブ、パワーコード、3度、E弦開放+G弦11→13フレとかなんでもいい。ヒントになるかもしれないことは思いつく限り全部やる。ハーモニクス各種も同様ですが、うちのLaklandもそうなんだけど、鳴りにくいベースもある。長所短所は同じ意味なので、まあ上に書いたことと同じですな。

試奏はピロピロ弾きがちですが、ロングトーンも大事。初めのうちは10秒程度でも待つのが辛く感じるかもしれませんが、各ポジションで弾いて音量の減衰具合やデッドポイントを忘れず確認したい。

音はピッキングポジションやピッキングの仕方で全く変わるので、バランサーやEQなどいろいろ試している中で織り交ぜていきたい項目ですけど、気になったら重点的にやっちゃう。

グリスは実は結構キャラが出ます。fenderとsmithでは全然違うのがわかる。コンプレッション具合と、上のフレットを弾いた時の音圧の出方、ギャリっと食いつくのもあれば無駄に音圧が出るものなど。グリスした時のフィールが気に入るベースは、最終的に気が合う確率高いですね、経験的に。E弦だけじゃなく他の弦もブンブン試してね。

試奏が終わってから

試奏が終わるや否や、いきなり値段出してくる人は興醒めですな(笑)。

試奏後に店員さんと感想を言い合ったり評論したりすると思うんだけど、再認識することで初めて身になるから印象を言語化するのは大事です。ただ誰の為にもならないから、ここでも見栄張って思ってないこと言わないように。正直にあまり好みじゃないと言って良いし、わからない時はワタシもよくわかりませんと言います。いい店員さんだと自分の感想を受けて、情報の補完や裏付けを行なってくれたりして、よりそのベースに対する理解が深まるよ。

そのベースが気に入ってもっと知りたいなら、店員さんに代わって弾いてもらうのも手。ものすごくいろんなことがわかるので、本気で迷っている場合はオススメです。そうでなくても上手に弾けない時、個性を引き出せない時はコレをやるといい。他人が弾いたのを聞くと意外とそうでもなかったり、自分との相性もわかります。また自由に動けますから、アンプからの立ち位置を変えて様々な場所で音を聞いてみよう。

ちょっと裏ワザだけど、これで印象が変わることもあるし大変有用です。

(2014/08/13更新)