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試奏したベースのインプレッション

Carl Thompson 4st

カニカニベースでカール・トンプソンをお借りしました。モデル名はどうなんだろうと持ち主に確認したところ「スクロールベースと言われてますが正式な名前はわかりません」とのことです。この辺は少規模工房らしく体系立てていないのでしょう。ベースのスペックはパドゥークボディ、メイプルネック、エボニー指板、ディマジオPUモデルJ 、OBP1プリ初期型のでかいやつとのこと。オールドプレシジョンベースOPBじゃないから気をつけましょう

さてまずは抱えた感じ。ストラップで吊って鏡の前で見るっていうのは多少なりとも客観視してバランスや楽器の収まり方を見たいわけですが、まあスーパーおしゃれになるね。古いのもいいのよ。ジャンルも結構超えていく存在の重さがありますね。この辺が新しい楽器やメーカーだと野暮ったかったり軽かったり禍々しかったりしちゃうのよね(笑)。

ホーンが大きな特徴だけど、そこを観点として楽器を持った印象を比較するとRitterはゴツくてデカくてドイツ車っぽく、アダモは柔らかく華奢。じゃあCTはと言うと、マスの集中と鋭さを感じる。 4弦だし重くはないベースです。

さてさて音ですが、鳴らしてみるとちゃんとレス・クレイプールっぽい音も出せて驚きました。あれ本人の音というよりは楽器の音なんだなって(割合的にはですが)。パドゥークボディは反応早いし音楽的な材だなやっぱ。緩さはなくシャープ、音が止まるBAGENDは合うね。フロントPUの1弦側が高くて大きい音が出るので、なにか狙った部分があるのでしょう。

リアPUはケン・スミスみたいなクセのある音。マウント位置がかなりリア寄りということもありますね。フロントは程よいディープさ。両者のサウンドが結構違うので、この辺は昔のベースだなという感じを受けました。プリアンプは後付でアギュラーOBP1ですが、両PUの個性に寄り添わないチョイスが素晴らしいと思います。エウーゴ、ティターンズ、アクシズですわ。

PU位置がそう思わせているのかもしれないですが、時代を考えるとかなりバランスよいベースだと思います。音色の幅が出せるので対応力アリ。オーガニックな響きもありますが、打ち替えたステンレスフレットの音になってるね。エキゾチックウッドの音はそのままシンプルに出力。 スラップはビキッとしたプルの音で、剛性が高いベースっぽい鳴り方ですね。


とんだベースマニアがTV局の制作にいたもんだ(笑)。ピートヒルトンでしたっけ? べーコレにベースがあったことがありましたね。ベース作っているお弟子さんも出てきて、製作環境含めCTというメーカーの雰囲気がつかめてきました。

木の鳴りを生かしたベースと言っても複数の材でラミネイトが多かったりするので、MTDみたいなザ・マホガニーの音でござい~というわかりやすさがありません。でも硬い重たい材を使った音というキャラクターは共通しているような気がします。個性的なファッションをしているが世間の評判とは違って金銭感覚は地に足がついた人。

(2024/05/28更新 / 2024/05/30追記)