その他の小物類
DR dragon skin Multi-scale
まずStainless弦から試しました。Nickelはまたそのうちね。
標準弦と比較すると、高音が死なずによく前に出る分、相対的にミドルは抑えめに感じられます。そのため、SpectorやEMGのようなキャラクターの音に近付きます。トーンを絞っていっても、ダダリオのようなパンチや色気はやや出にくい印象を受けました。とはいえ、このあたりはオケに混ざってしまえば演者以外にはほとんどわからない領域かもしれません。
元々DRの弦はすごく好きなのですが、このブラックコーティング弦は他のDR弦とは全く違うキャラクターを持っています。過去に試した時よりもしなやかさは改善されているものの、弦のたわみに対しては非常に硬い感触が残ります。DRがこのタイプの弦を、あえてニッチなマルチスケール市場に投入しているのは、ここまで明確に個性が違うからこそなのでしょう。Dingwallの素晴らしい標準弦に対する、別ベクトルの選択肢としてしっかり機能するように感じます。
プレイスタイルとしては、高音のアルペジオでソロを取ったり、ドンシャリ設定でバギーンと派手に歪ませたりする用途にはとても向いていると思います。逆に、Fender系のトラッド寄りの楽曲や音色に重心を置くのであれば、標準弦の方がプレイヤーの感情を乗せやすいでしょう。もし普段プレベやジャズベも併用しているのなら、ベースを持ち替えた際の音色に明確な幅を持たせる意味でも、マルチスケール機にこのような個性派の弦を張る価値は大いにあると思います。
もちろん、コーティング弦ならではの寿命の長さもあるため、手汗をかきやすいタイプの方にもおすすめです。それはそうと、La Bellaからマルチスケール用のフラットワウンド弦が出ないかなあと密かに期待しています(「フラット弦を張りたいなら他のベースでやれ」と言われてしまいそうですが)。
(2026/05/08更新)