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elysia nvelope 500

elysia nvelope 500elysia nvelope 500elysia nvelope 500elysia nvelope 500基本的な機材収集の方針としてですよ、「2スロットの機材を導入するなら、1スロットの倍は優れていなくてはならない」という独自の縛りを設けていました。Rupert Neve Designs 517のように複数機能がある場合や、IGS Audio One LAのように単純に2倍素晴らしいと感じた場合は許容するという結構厳しいルールです。500Seriesではエフェクター以上のクオリティでサウンドバリエーションを広げたいという思いがあり、プリアンプ、EQ、コンプレッサーはすでに2種類ずつ揃っていたため、別ジャンルの機材もアリだなと思い様々な試奏をさせてもらった結果、「これやばーい」と完全に心を奪われたのが、elysiaのnvelope 500です。

elysiaというメーカーの他の機材にも共通する「音を整える感覚」が私はとても好きです。まるでスポンジケーキに生クリームを滑らかに塗っていくような、力むことなく容易に、それでいてとても丁寧な音作りができるのです。トランジェントシェイパーとしては本家であるSPL社の製品とも比較検討したかったのですが、触れる機会がなく、私にとって本機が初めてのトランジェントシェイパーとなりました…ってこのあたりの経緯はインプレで書いてるか(笑)。

アッシュ、アルダー、マホガニー、メイプル、エボニー、ローズウッド。それぞれの木材に特有の音色のイメージがあると思いますが、周波数帯の話(EQ)であればパラメーターをグリグリと弄って自分の理想のイメージに寄せていくことは比較的容易です。しかし、「ベースを弾いた瞬間の反応」や「音量の推移」、つまり「時間軸」の話はどうでしょうか。どうやって音をパンチーに、あるいはスムースにするのか。通常はそこでコンプレッサーの出番なんでしょうが、この機材はスレッショルドに依存せずアタックとサスティンをより精密にコントロールできるのです。

MTD特有のサムダウンのニュアンス、Ken Smithの管楽器のような立ち上がり、あるいはTower of Powerの「What Is Hip?」で聴けるようなプクプクとしたロッコプレスティアの音にまで方向を寄せることができます。これまでどうしようもなかった領域の調整ができることに感動孫の手猫灰だらけ~!

Modulusのスラップはなぜ「パキン」ではなく「ポキン」と鳴るのか、という長年の疑問すらもこれで探索できます。まさに、ドラクエで船を手に入れて行動範囲が一気に広がった時のあの感覚。

SPLの機種だと、本機でいう「フルレンジモード」に相当する機能しかないようですが(代わりにnvelopeではDry/Wetのブレンドはできません)、本機は通常モードでAttackとSustainをそれぞれ「どの周波数帯から適用するか」を設定できます。これはかなりマニアックな仕様で、そこまで必要かと思われるかもしれません。しかし、音を歪ませず指先で音量から音色まであらゆることをコントロールしようとタッチに命を注いでいるベーシストなら、その意味がわかるでしょ。これは絶対その助けにになるよ。

エフェクトの効きは非常に強く、音が不自然に破綻するところまで操作できます。限界点がわかりやすいため、「これでダメなら他のアプローチをするべきだ」という判断がすぐに下せるのも利点です。また、EQモードも搭載されているため、とりあえず上下をスロープでカットして整えておく、といった裏方的な使い方も可能です。Auto Gain機能も親切で、聴感上の音量が自然になるようにOn/Offできる点に、elysiaというメーカーの真面目な性格が表れているように思います。

プラグインでも同じようなことができるのかもしれませんが、こうして実機のアナログ機材を手に入れ、自分の手でツマミを弄りながら音の構造を解き明かしていく過程には、代えがたい発見の喜びがいっぱい詰まっています。購入後、色々と掘り下げて使っているのですが、触れば触るほどワタシの中では革命的な発見があり、非常に勉強になっています。手練れのベーシスト、特にワタシのような機材マニアでタッチにこだわる人には、ぜひ試してほしい機材です。

(2025/02/17更新)