4機種試奏
ひとまず半年くらいかけてちょこちょこと試奏してみました。ベースみたいにある程度感じがわかっていれば、一気に試奏の旅に出てもいいんですが、やっぱり理解って少しずつ進むものだと思います。
一日でいっぱい弾いても訳がわからなくなるので、一つ試しては咀嚼して、補完的なデータやレビューを調べて、なんとなく掴んでから次に行く、と。で、よく行く楽器屋さんには無かったりするものだから、新規開拓しつつ、目についた4機種を試してきました。
そろそろマトメドキかと思うので、以下書いていきます。
Avalon U5
まずはベーシスト定番のコレ。エフェクターとは言わないまでも、基本的に太いですね。全然太い。なのでベーシストから『なんかやだなー怖いなー』と稲川さん的拒否反応は出にくいと思う。音はパネルのイメージなのか、格調高く上品にアップグレードする感じ。カチカチとキャラを選ぶ作業も、嬉しくなっちゃいます。ただちょっとまとまり過ぎて面白くない感じもあるわ。
そうそうマイクプリ全般に言えますが、基本"盛る"機材なので、何を使っても損した感は無いでしょう。どの成分をプラスしたいのか(キャラ振り)、それにいくら掛けられるかってところが、購入の判断基準になる。
Universal Audio solo/610
当然高品位の音で素晴らしく、チューブっぽさも感じられるし、一聴してレンジが少し狭いかな?と思うんだけど、実はしっかり出てるし。なんですが、よく聴くとアタックの少し後ろの部分がハンパなく充実してます。
16両編成の山手線外回り電車参りまーす。ぼーっとホームに立っていたら5、6両目に熱い視線を投げかけてくるスゲー美人がチラッと見えた、的主張の音。わかりやすく先頭車両運転手『やらないか?』ではない。
街や職場ですれ違った地味な人の、少しディレイしてくるフレグランス系。色気のある機材だと思います。アクティブ/パッシブ共にGainはそれほど上げない方が、いい音になりました。12時以降は意識的に使いこなせる人じゃないとダメかなあ。
その辺のセッティングは(ベストを出そうと思うと)とても繊細です。適当に通すだけでも良いと思うけどね。
Focusrite ISA One Digital
繋ぐとバコォォォッ!とレンジが広がり、超クリアに! 出ていなかったように思う音まで拾って、フォーカスライト印にまとめて出してきてくれます。これはわかりやすい使いやすい。KN-Boostの多段積みって感じです(笑)。
ハイを上げている訳ではないですが、倍音豊かになり、鳴りが良くなったように感じ、つまりはニュアンスが出つつまとまり、とりあえず繋いでおこうよ、みたいな流れに。透明感ある清々しいベースサウンドが出したいならコレが良いよね。
アナログなら半分の価格だし、価格訴求力は相当なもんですよ。とりあえずでも買えるもん。
SSL XLogic Alpha Channel
一番地味な機材でしたが、ホント卓を抜き出したようなヤツですね。プリアンプじゃなかったわ、まんま1ch機材だったわ。でもEQは超良かったです。
EQの効き方と幅設定のしやすさ、速さは、どんなベーアンよりも早く出来ました(まああまりアンプのEQいじらない人なんですが...)。ハイもローもミドルも、いじりたいとこピンポイントにビシッと効く。特にミドルは、回していくとキャラがコロコロ変わっていくぐらい多様で実用的。少ないノブで十分納得のいく音作りが可能。うーん、素晴らしい。
倍音補正のVHDは、試奏用のベースではわからなかったです。レンジの広い現代的なベースと、もしくは歪みをかましたり、プリで音色を作った後の ♪仕上げはお母~さ~ん、かな。
まとめ
初めてのジャンルなので、よくわかっていないと思いますが、マイクプリのクオリティはやっぱすごいですわ。あれもこれも欲しくなるけど、あくまで他人が聞いても気が付かない世界の話だろう、ということを心に停めて調べていってます。
近所の楽器屋に置いてないんすよーって、ウチも大概そうですよ。実機がそうそうない環境でも、調べられることはいっぱいあるのがネット時代のいいところ! 次回は試奏後ネットで裏取り、補完、いろいろ検証して出した結論までお届けします。
(2011/11/26更新)