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試奏したベースのインプレッション
ken smith BSR TN5
店頭試奏だけでは全く底が知れなかったケンスミス。購入することは出来ねど、今回ご好意により@hiro227szkさんからお借りすることができました。laklandとの1ヶ月の交換留学です。試奏ではなかなか分からない特徴も、自分の環境で試すと発見しますね。
色々試せたので、3回くらいに分けてインプレしていきます。推敲はしていますが、基本メモの時系列順。
鐘というかベルというか、リーンとかゴーンという響きがする。
フロントPUは重厚、ディープ、スラップ時にはパワー感を出せて汎用的なサウンド。リアPUはスミスの代名詞ケロケロと、ミドルにフォーカスした抜ける音色。バランサーがセンターだと、リャーンという感じで、ベルっぽさがあります。
EQはトレブルの出来が思いの外よかった。ブーストしてもノイズはなく、カット時には狙った音に近づきました。ベースは結構大人しめ、効きが緩やかなので思い切って調整しても破綻なし。ミドルは強く出てきますね。
聴いているのと弾いているのでは印象が違っているのが驚きでした。弾いている時はあまりケロケロは気にならず、何ならもっとブーストしてスミスっぽさを強調してやるぜ!って感じだったのに、ニコニコタイムシフトで確認すると、既に十分主張性していたりするんですよ。
smithを寝る前に暗い部屋で弾いてたら(アンプラグド)、生音からレベルが整っているけど、当然ケロケロはしない訳で、ふ~んと思いました。特にネックの裏からの音が素晴らしかった。ベースを立てて10フレット以上を弾いた音を裏側から聞くと、楽器の音でしたね。
(2012/06/29更新)
クセーウメーは味に一捻り
普段弾いてる強さの半分~8割で丁度いい。というかそれぐらいが一番いい音が出る。弾いていて気持ちいい強さってあるじゃないですか。決めのトコでバシッとやったり、ついついノッてきて強めに弾いちゃうあの感じ。あれ通用しません。その代わり弱いピッキングやアラに対してのフォローがピカ一で、コンプ要らずというのも頷けます。
ただそれ解ってて甘える人いないと思う。そんな人は技術的に定入力できるのが当たり前だと思うんで、より狙った音色を出すことに集中してるわな。ピッキング位置も重要で、とっても表情が付けられますね。15フレット付近を弾くとわかりやすくディープ、ブリッジ付近もお馴染みの音で、把握しやすい変化でした。バランサーも同じくカラーが変わるので、組み合わせて曲の展開によって攻めのトーン作成ができる。
low-b線を弾くとサステインが極端に短くて、なぜだろうと思っていたら弾き方でした。ほとんどのベースは(laklandもそうですが)注意してvolがでかくなりすぎないように無意識に丁度いい強さで弾いていたようで、いつの間にか染み付いていた動作でしたが、スミスはdingwallと同様に、E線弾くようにB線弾けるんですね。
ボディをコンコンやると、右半分のほうが音が高く、左半分は低かったです。サーキットのスペースのせいなのかどうかはわかりません。dingwallのアッシュアルダーハイブリッド的に、擬似的に音色をコントロールしているのかな? って考え過ぎか(笑)。
エレキベースとして見た場合、ポイントはケロケロで、ナンプラーやニョクマム的な、抜群の調味料になっている気がします。クセーウメーは味に一捻りを加えて深みを増すでしょ。それが味の主役じゃないけど、絶対に必要なあの感じ。素材はシンプルなベトナム料理かもね、スミスって。設定を抑え気味にして、それとわかるケロケロじゃなくても、音としては鳴っているんだね。それがベルっぽく聞こえたりして、風味付けになっていると。ゆずぽんか。和の心か。
(2012/07/07更新)
エンドなんだからせめて端に
これほどちゃんと打ってあるベースあったかな?というほどフレットちゃんと打ってある。指板とフレットのすごくピタッときてる感じ、削りだしのように真っ直ぐ打ってある感じ。あまり注意して見たことなかったけど、バルセロナが唯一こんな感じだった。ハイポジでよく感じましたが、どのくらいの強さ深さで押弦すればいいのかが計算しやすくて楽です。
試奏の段階からそう思っていたんだけどアンプの相性はかなりあると思う。アンプとヘッドホンとPCスピーカーからでは本当に全く違う音。
ただ以下のように、この点は自分がずれているかもしれません。もしかしたら程度問題で、実は同じ事を言っているのかもしれないけど(笑)。この辺が文章コミュケーションの限界を感じるところ。難しい部分すね。もしくは自分の感覚とベースの出音とのシンクロ率が低い。
@KAZ535 ありがとうございます。ちょっとしたリハだったりライブであったりですが、今のSmithは、元々苦手ではなかったのですが、Ampegや、♡キーなど備え付けのものとも相性が非常に良いです。また、もう10年以上前になりますが、この仕事を始めた動機や熱意を思いだします。
— 広瀬 創さん (@PLEKJAPAN) 6月 5, 2012
チェロとかコントラバスとかギターとか、いろいろな楽器に例えられますが、その感じ分かります。木材のクオリティや組み合わせのノウハウ、制作レベルなど、やっぱり普通のベースではないと思います。
(ここから総論) でもハイエンドって定義を考えた場合、一般的なそれまでの概念の中にすっぽり入っているなら、それはハイエンドじゃないと思うんですよね。エンドなんだからせめて端に、むしろはみ出すくらいじゃないとダメでしょう。
そのはみ出した部分がベースの定義を広げていく訳で、値段だけハイエンドって機種はあまり全体にとって意味はないかなと思います(個人にとっては別デスヨ)。はみ出た部分、予想を超える部分ってのは噛み砕きにくいものですが、それこそ先入観にとらわれず接していきたいと思います。なかなか難しいけどねー。
(2012/07/16更新)
ケロっていう食いつきがないと、これはこれで寂しいもんです。
だから弾いているうちにどんどん上げていって結果フルテンになっていた、ってパターンが結構あります(笑)。
香水みたいにそれとなく香るくらいが適したバランスなんでしょうけどね。
しかしこのグリスでも太ってない音、スミスのスマートな低音は紳士すなあ。
(2012/07/22更新)
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